みはるんのぽれぽれライフ

日常のこと、趣味のウクレレのことなどのんびり綴っていきます

落胆と安堵と。

勤続6年ともなれば、後輩を指導する立場にもなります。私にもその役目が来て、ある一人の新人さんを面倒見ることになりました。段ボール箱の組み立てを始め、製品の箱詰めのときもその新人さんと組まされて、何だかんだと5か月ほど面倒を見ました。
それが突然、辞められてしまいました…。

辞める理由ははっきりとは聞かなかったのですが、おそらく様々な理由が重なったのだと思います。入社早々、彼女のお子さんがコロナにかかり、彼女自身もお子さんからコロナをもらってしまい3週間ほど休職。その後もお子さんがコロナの再発で入院したり、彼女もたびたび発熱しては早退したり休んだり。全く安定して勤められる状況ではなくなってしまったようです。仕事自体も、あまり彼女には合っていなかったかもしれません。箱作りにしても、速くきれいに作る方法をやって見せて、ここがポイントだということも教えるのですが、なかなか言われた通りにできなかったり。箱詰めでは最初のうちは頻繁に入れ目を間違え、結局私たち先輩従業員(たまに主任)が詰め直しをする羽目になったり。詰めるスピードもほぼ上がらないままでした。他の後輩従業員がどんどん仕事をこなして難しい仕事を覚える中で、彼女だけは箱作りと比較的簡単な数種類の箱詰めを指示されるだけで、周囲との差が開き過ぎていることに彼女自身も気付いていたかもしれません。

とにかく彼女は手のかかる人でした。あまり危険に対する認識がないようで、こちらが教えなければ事故や火事につながることもやってしまうことがよくありました。そのたびに私は肝を冷やし、いちいち理由を説明して安全なやり方を教えなければなりませんでした。それでもなかなか一度では覚えず、何度か同じことを繰り返してやっと直す感じでした。彼女と一緒にいると何かと気を使い、それでも注意すべきことは言わなければならず、どういう言い方なら彼女の自尊心を傷つけずに伝えられるかということに心を砕きました。たまに彼女と離れられる時間があると張り詰めていた心がほどけるのを感じました。

そして彼女が辞めていった今、5か月間いろいろと指導してきたことが結局徒労に終わったという落胆と、彼女の指導役から解放されたという安堵の気持ちが入り混じっています。ご迷惑をおかけしました、という彼女の最後の挨拶がせめてもの救いでしょうか。その日の帰りにはアイスを買って、車の中で一人慰労会をやってから帰宅しました。

今後また新人が入ってきたとして、また指導役を頼まれても、さすがに今度は遠慮したいです。あまりに精神的な負担が大きすぎるからです。相手にもよるでしょうが、今回の件で人を指導する難しさというのを思い知りました。